来ちゃった。来ちゃったよ。インターホン押さなくちゃ・・・。――ピンポーン・・・ピンポーン―― 「ハイッ・・・どなたですか?」 徠希くんかなぁっ?「あのっ木村なんですけど徠希くんいますか?」 「ちょっと待って下さい」 今の誰かなぁ・・・。徠希くんではなかったよね・・・。なんか声低かったし・・・。誰だろ〜。 ――ギィッ―― 出てきたのは、すんごく徠希くんに似ている少し大人っぽい人だった。「えっ!あのぉ・・・徠希くんは?」「・・・・・」 あれっ?なんでしゃべらないんだろ。「あのー・・・」「あっゴメンなっ。徠希になんか用?いきなりタメ語でゴメンね〜。敬語キライでね。」「最近、学校に来ないので心配になって来たんですけど。あの、徠希くんの兄弟ですか?」「まぁ兄弟と言えばそうだけどー俺等三つ子でさっ。俺はその1番上ってか三つ子の兄です♪」「えっ!三つ子ですか!?似てるとは思ってましたけど三つ子とは・・・。そういえば徠希くんは真ん中ですか?それとも1番下なんですか?」あたしは興味を持ちすっかり徠希くんの兄弟さんと友達みたいに遠慮せず話していた。「徠希は下だよ♪もしかして徠希の事好きなの?」「えっそんなっ徠希くんは別に普通の友達です。そういえば徠希くんは?」「・・・話し変わるけどいい?」「はいっ」「言いずらいんだけど・・・。俺達は小さい頃、父親を亡くしたんだ。それで・・・」突然の事にあたしは驚いてしまった。「最近、母親が病気になって・・・。そこまでひどくないんだけど体調が悪くって・・・。それでこの前、学校抜け出しちゃったんだ。あいつは心配性だからなぁっ」えっ・・・。「それで・・・徠希くんは今どこに?」心配だよ。かわいそう。かわいそすぎるよ。徠希くん・・・。徠希くん・・・。大好き。あたしこんなに徠希くんの事好きなんだね。こんなの初めて・・・。あたしの初恋は徠希くんだよ・・・。