「生きている時間は限られたた。
けどね、
昇吾。
あなたは教えてくれた。
私たちに。
生きるってことがどれだけ幸せで、素晴らしいことか。
必死で現実(いま)を生きていた昇吾は私たちの希望だったの。
つらい宣告を受け入れて、笑う昇吾。
本当に、かっこよかった。」




ぎゅっと握る手を強くした。


冷たくて、いつも握ってた。


大好きな手、じゃないみたい。


“どうして、こんなに冷たいの?”


昇吾。


もう動くはずのない手を、ただ握った。