隣で腰をおろしていたラグがゆっくり立ち上がった。 「そろそろいかねぇと、魔物が出るかもしれない」 「…ほら」 差し出された手はそのままである。 「…おーい。どうしたんだ?」 肩を叩いても返事がなく、ラグはメルの顔を覗き込んだ。 「……寝てる」 ブツブツとぼやきながらも、メルをだき抱え 夜の空へ羽ばたいていった。