「何か飲む?」


カウンターに両手をついて、店長が聞いてきた。


「あ、じゃぁコーヒー下さい」

「今日もブラック?」

「さすが・・覚えてるんですね!
 それでお願いします」

「かしこまりました」


店長はニコっとして
テーブルセットをしている荻くんを呼んだ。


「荻くん、アレ!
 アレ入れて!」

「アレっすか・・」

「そぅ アレ♪」


”アレ”って何だろう。。

ちょっと上機嫌な店長を横目に、
荻君は少しメンドくさそうに
キッチンの奥に入っていった。


「あのアレって・・」

「うん、今日はちょっと特別ね☆」

「え?」

「いやぁ久々にカワイイお客さんができたもんだから♪」

「えぇ?!」

「おお凛子ちゃん 反応が純…☆」

「いやいや!
 だって店長みたいなイケメンに
 カワイイとか言われれば
 みんなそーなりますって!」

「ほほぅ。君、うまいねぇ~」

「それほどでも~」


そんなおかしなやり取りしてる間に
荻君がコーヒーを運んできてくれた。