初めての通ったこの道は
近道だったのか
電車で二駅分を歩いてしまったらしい。

それは電柱にある番地で判明した。



ずいぶんと静かな町並みだった。

大通りからは少し離れているんだろうけど、
住宅街とまではひしめきあっていなくて
道は広いけど車も人の通りも少なかった。


「コンビニなさそー・・・って小銭しかないしあたし!」


仕方なく引き返して、来た道を戻ろうと踵を返した。

そして、つい
いつものクセでタバコを咥えて火をつけた。

気管がぐぅと締まるのを感じて
はっとする。
「あー。浄化したのに...」


無意識ってこえー。
今は必要ないものだったのに。


道の脇によりかかってガックリしていると、後ろから声がした。




「歩きタバコ やめてくんない?」



それ、あたしか?

と思って振り返る。







彼との出会い方は

たぶんお互い良くなかった。