『…龍司……?』



『…もう、お前帰れよ…。解放してやるよ』



『なんで?ヤダ…!!』




あたしの言葉もまるで耳に入ってないみたいに龍司はあたしを車に乗せると走りだした。





車の中で、
あたしは、ずっと泣いてた。



龍司はひとこともしゃべらなかった。



あっという間に
見慣れたマンションに着いた。



いや、ほんとはけっこう長い時間だったと思う。



龍司との時間がいやじゃなくなってた証拠。



龍司はあたしを車から降ろすと、
何も言わず去っていってしまった。



やっと帰ってこれたのに、ちっとも嬉しくなかった。



しばらくその場に立ち尽くしたまま、
泣きじゃくっていた。




今までの時間ってなんだった?

龍司…あたしって
なんだったの…