この部屋は暗くて冷たい。


ここにいると、



時間の感覚が全くわからなかった。



今が朝なのか、夜なのか
今日が何曜日なのかさえも…



殺風景な部屋。



テレビも時計もない。



窓は遮光カーテンで完全にふさがれ、光は全く入らない。



龍司に殴られた頬が、
じんじん痛んだ。



部屋に連れ戻されたあと、あたしは恐怖のあまり震えてた。



『なぁ…』



龍司は、あたしを抱き締めた。



頬にそっと触れる。



『ごめんな…?痛かっただろ…。お前が逃げたりするからだよ?もうしないから…』



さっきとはまるで別人みたいに、優しくあたしを見つめて抱き締めたんだ。



それからどのくらいたってるんだろう。



このまま誰にも気付かれないのかな…



帰りたいよ…