『お前、どこほっつき歩いてたんだよ?』



『……』



『乗れ!!』



なんにも言えないあたしを、龍司は強引に車に押し込んだ。



そのまま、勢いよくアクセルを踏みこむ。



龍司は無言のまま、スピードをあげていく。



――時速何キロくらい出てるんだろう。

今ぶつかったら、間違いなく死ぬ。



あっという間に、見慣れた風景は消え、ここがどこなのかわからなくなった。



『…どこに…向かってるの……?』



恐る恐る、口を開く。





龍司は平然とこう言った。


『ヤリコンみたいなもん。』



!?



あたしは言葉が返せない。


まるで、そんなあたしの様子を楽しむかのように、

龍司は続けて言う。



『すぐやらしてくれる女がいるって言ってあるから、みんな楽しみにまってるからよ』



なんて奴に目をつけられてしまったんだろう。



あの時、出会ったばっかりにこんなことに。



隙をついて、なんとか逃げ出す方法はないだろうか。


そんなあたしの考えを見抜いたかのように、



『逃げようとか考えんなよ?』



龍司は言った。



その時の目が、本気で怖かった。



おとなしくしてたら、解放してくれるんだろうか。



もしかしたら、

殺されるかもしれない。



背筋が凍った。