明け方になると、真由美が帰ってきた。



ただ、いつもと違ったのは、真由美が相当酔っ払っていたことと、数人の男たちを引き連れてきたこと。



『結城ぃ〜あけてぇ!真由美だょ〜ん』



真由美と一緒に、知らない男たちまでもが、

『結城ちゃ〜ん開けてくださーい』

とふざけている。



ロックをはずすと、

『おじゃましまーす』

男たちはそそくさと入り込んできた。



あたしは無性に腹がたった。



真由美にも、そいつらにも。



『勝手に入って来んな!お前らさっさと帰れ!』



あたしは怒鳴った。



『えーいぃじゃ〜ん』



真由美が言う。



『なんか話違うじゃん…』


男たちがひそひそ話している。



『早く出てけよ!!』



気まずい空気が流れ、男たちは出ていった。



なんで、よりによってこんな日に…



真由美もあたしが具合悪いのしってるくせに。



あたしは相当頭にきていた。



しかも、この前の一件があったにも関わらず、あんな軽そうな奴らに簡単に家を教えたことも許せなかった。

あの時、約束したはず。



『どうして帰しちゃったのぉ〜』

真由美はまだへらへらしてる。



あたしは我慢ができなかった。



『いいかげんにしなよ!』


そのまま、真由美と大喧嘩になった。



『出ていってやるよ!』



真由美はそう吐き捨てると、家を飛び出した。



あたしは止めなかった。



そのときまであたしは、そのまま真由美が帰ってこないなんて、まだ思ってなかった。



でもそのまま、真由美は帰ってこなかった。



携帯も何もかも残したまま…





その日以来、真由美に会うことはなかった。