季節は4月の半ばにさしかかっていた。



真由美の親の一件があってから、何事もなかったように、あたしたちは、相変わらずいつもの毎日を送っていた。



もう学校は始まっている。


真由美は結局、高校へ行こうとはしなかった。



このまま、欠席が続けば、退学になるだろう。



美容師になりたいとか、
学校の先生になりたいとか、そんな夢でいっぱいだったはずなのに、

いつしか、その夢とか、希望は違う方向に向かっていた。 



好きなものを買うにも、何するにも。



お金がないとなんにもできない。



世の中、何でもお金だと思った。