龍司がどんどん近づく。



あたしはそのまま押し倒された。



そのとたん、体の力がふっと抜けた。



妙に冷めた気持ちになり、抵抗をやめた。



『ねぇ、なんでこんなことするの?』



あたしは、静かに言った。



『お前の事が、好きになったから。』



意味がわからなかった。



龍司は、それでもやめなかった。



まるで人間じゃないような冷たい目で、無抵抗なあたしを抱いた。 



龍司の体には、刺青と、たくさんの傷痕と、たばこの跡があった。



あたしはこのとき、こんな冷たい目をする人間を初めて見た。