真由美が出ていったとたん、賑やかだった部屋は、寂しい空間になった。



静かになったついでにもう一眠りしようかと思ったけど、逆に一人になると目が冴えてしまった。



テレビをつけても見たい番組もなかった。



静かすぎるのがいやで、テレビは付けたまま、雑誌をパラパラとめくる。



そのとき、


―――ドサッ!



ベランダの方で音がした。


(なに!?)



身体が固まる。



人の気配がする。



とっさに鍵をしめていたか、考える。



身動きをとろうにも、動けず、息を殺していると、



―――ガラッ!!



ベランダの窓が開いた。



あまりの恐怖に声が出なかった。



そこに立っていたのは…







…龍司だった。