「おい。 希愛。 おい。」
ほっぺたが痛い。
「うぅぅー。」
「気がついたか。」
パパが心配そうに覗き込んでる。
「わたし・・・。」
「お風呂場でのぼせたんだぞ。
司君が抱えて運んでくれたんだ。」
「わたし、裸!!」
自分を確認する。
「大丈夫だよ。司君がママ呼んで
着替えさせてたから。」
「そうなんだ。 だからちゃんと
着替えてるんだ。 先生は?」
「ママとスポーツ飲料買いに
行ったよ。希愛に水分補給
させるために。」
「どこまでいったんだろう?」
「すぐ帰ってくるさ。
帰ってきたら起こしてあげる
から少しおやすみ。」
「うん。」
薄暗いひとりの部屋。
薔薇の
甘い香り。
火照る体はのぼせた
からだよね。



