「具合はどうだ。」 ふたりっきりの保健室。 先生がわたしの前髪をかき 上げてくれる。 「もう、大丈夫。」 「そっか。 で、あいつが なんだって。」 「あいつ?」 「藤堂だよ。」 「藤堂君?」 「そうだよ。 手握られ てたんだってな。」 「聞いてたの?」 「聞こえてきたんだよ。」 先生不機嫌?? もしかしてやきもち?? 「もう他の男に触れられるな。」 先生がわたしの手を握る。 切なそうな瞳が印象的で、 わたしはそっと瞳を閉じた。