久々の学園。
教室の前で、呼吸を整える。
教室の中から、元気な声が
聞こえてくる。
「おはよう。」
俺は教壇に立った。
「おはようございます。」
一斉に返ってくる生徒の声に
救われる。
藤堂も約束を守ってくれた
ようだ。
藤堂はジーッと俺を睨みつけると
空席のままの希愛の席に目線を
移す。
言いたいことはわかる。
藤堂も希愛のことが
心配で仕方ないんだろう。
希愛を想う気持ちまでは
俺には止められない。
藤堂の存在が、俺の中で、
大きな問題になっていたが
今では藤堂の存在が俺にとって
決意を強くするために必要と
なっている。
藤堂に希愛は渡さない!!
強い意志を与えてくれる。



