「息子もそろそろと 思うんだけど・・・。」 おじさまが玄関先を見渡す。 外灯で照らされた範囲には それらしき人影は 見当たらない。 「おじさま、どうぞ。 中でお待ちになって。」 来客用のスリッパを勧め リビングに案内した。 おじさまにいただいた薔薇が いっきにリビングを華やか にする。 あま~い薔薇の香りが リビング中に広がる。 「ありがとうございます。 おじさま。 お部屋にも 飾ってきますね。」 両手いっぱいの薔薇を抱え 階段を駆け上る。