「あ、やってるね♪お姉さんいるかな??」

「うん…多分…。」

すると私の視界の中に、1人の男子生徒が入った。

スラッと背が高く、形の整った顔立ち。
周りのオ―ラがその先輩だけ輝いているようだった。

しかし、その先輩は無愛想らしく、友達であろう先輩が話しかける以外、特に女子の先輩に対して、すごく冷たいらしかった。

ジャージの名前の刺繍が赤色だったから、おそらく今中1、私たちの一個上だろう。

この中学では、学年色が、今の3年生の色が、今度1年になる生徒の色となる。
簡単に言えば、卒業生の色が、次の年の新入生の色となる。

今は、3年が黄色、2年が青、1年が赤。

だから私たちが入学したら学年色は今の3年の色の、黄色になる。

そんなことを思っていると、部長らしき人が集合をかけ、1人づつ走りだした。

当たり前のごとく、その先輩も走りだした…

「…カッコいい…」

「えっ!?」

いきなり反応した亜李沙。

「愛葵、今なんて言った??」

「えっ!?いや、別に…??」

「いや、今ボソッとカッコいいって言ったよね??」

「いや、言ってないと思うよ(?)」

そんなくだらない会話をしながら、陸上部の見学をしていた。