「そっか。で、部活どうするの?天君に言われたように陸上部入るの?」

「…え?」


反応したのは伊舞姫。

当たり前か。

天先輩とは無縁の関係だと思っていた私が天先輩と知り合いなんて、驚くのが普通だよね。


「そ、うなんだ…愛葵ちゃん、天と知り合いだったの…」

「いや、別に知り合いじゃないよ。たまたま小学生のときの部活見学で会っただけ。」


「あ、そういえば愛葵、あんた天くんのネックレス返したの?」


「え!?」


またもや反応した伊舞姫。


「ね、ねぇ…そのネックレスって…」

焦ったように言葉を紡ぐ伊舞姫。

「シルバーの…一粒ダイヤの?」


私は天先輩に預かっていたネックレスを思い出す。

確かに、一粒ダイヤのネックレスだった。

「そうだったよ?」

「うそっ!?」

「いやいや、こんなこと嘘付いても意味ないよ。」

「いや…でも…あり得ない…」

「なんで?」

「そのネックレス、天の…天のお母さんの形見なのっ!!天…そのネックレス誰にも触らせたこと無かったのに…」

「え?それは大袈裟じゃない?」