宛て名のないX'mas


話の途中、裕美が亮太の肩に頭を乗せて、寄りかかってきた。

亮太は思いがけない裕美の行動に、心臓をバクバクさせ、口をパクパクさせた。



「ゆ、裕美…?(先手打たれた?!)」

「グー…」

「んだよ!寝てんじゃん!」



亮太は顔を赤くして、思わず足をじたばたさせ、頭をかいた。


そして、寝顔をそっと覗き込んだ。

天使みたい。



「(昨日、遅くまで編んでたんかな)」

「んー…サンタさぁん…ふふ、ムニャムニャ」

「はっ、あはは」



裕美は寝言を言いながら、幸せそうに微笑み、頬を亮太の肩に擦り付けた。

亮太は思わずニヤけて笑い、くしっと鼻をかいて、手編みのマフラーを自分と裕美に巻いた。


「まぁ、いっかぁ」


亮太はそっと、裕美の方へ頭を垂らした。





全然ロマンチックじゃなくても、いいじゃないか。

いいんだよ。

大切な人が傍にいるだけでいい。


今日はクリスマスだから。

素直になれる、特別な日だから。