「病室で、記憶の無い自分と
 はじめて向き合って
 どうしようもない、苦しい
 思いに崩れそうになった時

 目覚めたらあなたが微笑んで
 立っていてくれた
   
 私は、その時苦しみから
 解放され
 
 あなたに恋をしました
 それだけは、真実です
   
 これからも、先生として
 私の治療を行なってください
   
 お願いします」

病室の前には誰もいない。

病院の中庭で景色を眺めながら
話す二人。
  
柊雨は、少し動揺してはいたが
事態を受け入れた。

「しかたないね 
   
 なぎが彼の事を
 好きになるのも分かるよ
   
 本当によくしてくれる
 いい先生だもの」

「そうなの?」

「それに、カッコいいし」

「君が言う?」