「どうかした?
 
 なぎちゃん」
   
「しき先生は、とても
 信頼のおける先生です
   
 私は先生に出会えて
 良かったと思います
   
 先生が、言ってくださる
 ひと言ひと言で、私は
 何度も苦しい思いから
 救われました」

「ありがとう」

「先生の事
 もっと知りたいです
   
 今の私は、しき先生の事が
 好きだから
   
 あなたのことが知りたい」

紫季は席を立ち、顔を赤く
染める凪子を優しく包む。
  
「僕も、君の事が好きだ
 たとえ、君が元の記憶を
 戻して引き換えに
 私の記憶を無くして
 しまったとしても」