「なぎちゃん」

私は、紫季先生の声を聞き
彼の顔を見て、手を伸ばし
助けを求めた。

「シキ先生たすけて

 息が・・・」

「大丈夫だよ
 深呼吸をして吐いて吸って
 もう一度
 
 何も考えずに目を閉じて
 落ち着いて
    
 大丈夫、もう大丈夫だよ」

呼吸も落ち着いてきた私の事を
繭ちゃんは泣きながら
抱きしめてくれた。

「なっちゃん
 
 ごめん、ごめんね」
  
落ち着いた凪子を連れて
病室へと入る紫季と繭子。
    
ドアが閉まる。
 
凪子の苦しむ表情、言葉を
聞いて、深く傷つく柊雨は
その場に立ち尽くして

頭を抱える。