会社に黙って勝手に会見を
開いた、リリカのことを
仕事よりも『愛』を選んだ女
として、皆は持ち上げていた。

一方、会見を開くことなく
固く口を閉ざしている
しゅうちゃんに避難の声が
浴びせられる。

もう、二人は付き合っている
又は、過去に付き合っていた
事を前提に

芸能コメンテーター達は
話を進めている。
  
全てが嘘で固められている。

テレビで、その様子を
見つめていた私の瞳から
涙が溢れた。
  
繭ちゃんは
温かいミルクティーを用意
して私の肩を抱く。
  
「早く騒動が一段落して
 結婚に向けて二人で話を
 進めていければいいね」