席を立つ、なぎの手を
俺は強く握る。

「しゅうちゃん
 大丈夫だよ
    
 ここはホテルだから
 タクシーもすぐに捕まるし
 心配ないよ」

俺はその場に立ち、なぎを
強く抱きしめて、熱い口づけ
を交わしたまま

彼女のジャケットを脱がす。
 
「しゅうちゃん、ダメだよ
 ・・・私、帰らなきゃ」
    
俺は、なぎの脱がしづらい
ベストを脱がして
ネクタイを外す。

「しゅうちゃん、わたし
 ネクタイは結べない・・・」

「俺が結んであげる」

俺は、なぎを抱き上げて
ベッドへ連れて行く。
   
「今夜は、一緒にいたい」
    
俺のその言葉に、彼女は
黙って頷いた。