そこへ、柊雨が姿を現す。

柊雨の存在は
海外の人に紛れていても
全く見劣りしない程

端正な顔立ちに舞台衣装が映え
異国のヴァンパイアの
ようである。

盛り上がる同行スタッフ
現地のスタッフ一人一人に
丁寧に頭を下げ、御礼を言った
後に柊雨は楽屋に入る。

楽屋で待つ、マネージャーの
江本はタオルを柊雨に差し出す

「シュウさん、ツアーも
 無事に終わりましたね
 
 よく放棄せずに最後まで
 がんばってくださいました」

柊雨は、椅子に深く腰をかけて
タオルで汗を拭う。
 
このツアーの成功を、自分と
同じ気持ちで夢見ていた凪子の
為にも、絶対に成功させなけれ
ばならなかった。