「やっぱり
 しゅうちゃんキスされて
 びっくりしてたもん・・・」
 
「ごめん、嘘ついて」
  
「もう、いいの
 ここに向かう
 タクシーの中で、私
 
 そんな事は、もう
 どっちでもいい
 ただ、しゅうちゃんに
 早く逢いたいって
 そう思ってた・・・

 やっと逢えたね」

なぎは俺の腕を解き、振り返り
俺の目を真っ直ぐに見つめて
テレビなどの情報に惑わされて
不安になってしまった心の内を
話して聞かせてくれた。
   
ほんの束の間だけソファーで
二人の時間を過ごした後に
なぎは時計を見て言う。

「わたし
 そろそろ帰らなくちゃ」

「明日は、仕事?」
 
「うん・・・」