淡々と病状だけを述べる
先生・・・

私は、貴方の事が
とても気になる。
 
私の心臓は高鳴り

静かな病室の中、心臓の音が
先生に聞こえないだろうか。  
  
「よ、ろしくお願いします」

私は、緊張した声で答えた。
 
「今後は、私が主治医になり
 退院後も診察をさせて頂きます
 
 焦らずに少しずつ
 思い出して行きましょう

 どんな些細な事でもいいので
 思い出した時は、この私に
 必ず話してください」

そう言って手を差し出した先生
と私は握手を交わす。
 
貴方の手・・・

とても冷たい。