楽しい時間は、終わる・・・

停車した車内で二人は
別れる事を惜しむ。
 
「今日も
 とっても楽しかった」

「明日は仕事、早番」
 
「ううん、遅番だけど・・・」

二人の間に長い沈黙が続く。
 
「じゃあ、私」

そう言いながら、ドアに
手をかけた、なぎちゃんの
片方の手を俺は握る。
  
「もう少し、一緒にいようか」

「うん」
  
車は、夜の街へと走り出す。

メンバーは、きっと笑うだろう。
 
俺はまだ、彼女に触れられずに
いた。

俺の手で汚してしまって
いいのか・・・

また、不安な気持ちが
俺の心を支配する。