「恭っ」


今日も私は大好きなその人の背中を追いかける。


「…郁美」


その人、西島恭[ニシジマ キョウ]はだるそうに振り返った。


「おはよっ」


「…おぉ」


恭はクールであんまり話しかけてくれないけど、私は返事をしてくれるだけですごく満たされる。


毎朝、私たちは会話もせずに並んで学校に行くんだ。