【短】はぁーとの記憶

來斗が、あたしに背を向けたあの日。



どうしても「さよなら」が言えなかった。



お互いに、さよならはまだ言ってなかったよね。



あたしがさよならを言えなかったのは、



來斗を失うのが怖かったから、



信じたくなかったから。



それからずっとずっと言えなかった「さよなら」。



けどやっぱり言わないと前には進めないんだね。



だから決めたよ。



もうあたしは逃げない。