あんな毎日だったからこそ、 当たり前のことが幸せに感じられた。 学校行けることも 生きていることも。 「わたしはね、 あなたにまた生きてほしいの。 …わたしは生きたい、 と思ったときは遅かったから」 それから 紗奈は過去を全て話してくれた。 紗奈は母と父、弟の4人家族。 事件は 紗奈が13歳のとき、 弟が8歳のときに起きた。 その日、 いつもと変わりない朝だった。