「――安田って、何で俺にだけ敬語なの……」 彼が、少し赤くなった手を摩りながら呟いた。 「あ………私…!!!」 私が言葉を詰まらせていると、彼は俯いていた顔をぱっと上げた。 「ごめん。安田。 痛かったよなっ。わりーわりーっ」