「・・・私と会ってたのも・・・可威さんの中では・・・そういうことなんですか・・・?」
そう聞いてきた詩織ちゃんは俯いていたけど、涙がこぼれたのが見えた。
「・・・・・・・・・うん。」
「・・・・・・・・・」
「一緒。ごめん。」
「・・・・・・・・・」
「だから何が言いたいかっていうとさ。」
「・・・・・・・・・」
「俺の中では遊びでしかないわけだからさ。好きになられちゃうと重いっつーか、めんどくさいんだよね。」
「・・・・・・・・・」
「人から好かれるのは誰だって悪い気しないし、好きだって言ってくれたことは嬉しいけど、俺にはそういうのいらないっていうかさ。」
「・・・・・・て・・・」
「ん?」
「じゃあどうして・・・指輪買ってくれたり・・・デートしてくれたりしたんですか・・・?」
そう言って詩織ちゃんは顔を上げて、真っ直ぐに俺を見てきた。
溢れ出る涙を流しながら。
そんな詩織ちゃんを見て、俺はすぐに目を逸らした。
「・・・気分だよ。指輪は欲しがってたし、ほら、昔からこうやって生きてきてるからさ、無意識に女には優しくしちゃうんだよ。」
「・・・・・・・・・」

