「おぉ、もう来てたんだ、悪いな、遅れて。」
「ううん。」
次の日はスタジオで潤と打ち合わせした。
新曲の。
昨日話せなかったから。
「何かこういうテーマとかイメージとか、こういうのがいいとかある?」
煙草を吸いながら潤にアルバムの時のように聞いた。
「うーん・・・そうだなぁ・・・可威は?」
「・・・・・・わかんない。」
「わかんない?」
「思いつかないってこと。」
「あぁ。でもさ、アルバムの中でも俺とお前で作った曲が人気あるっつったじゃん。」
「うん。」
「ってことはあぁゆう系統が好きだってことだろ?」
「かもな。」
「じゃああぁゆう感じがいいんじゃねぇ?」
「うん・・・・・・そうだな・・・」
「・・・・・・・・・」
持ってきたギターをケースから出して抱えた。
昨日と同じように曲作りスタイルになっても、やっぱり同じように指が動かない。
何も浮かんでこない。
・・・やばいな、俺。

