好きすぎた、たぶん。



「わかるよ、可威の言いたいこと。だけどな、我慢するしかねぇだろ。お前らみたいな若い男のバンドなんて、どう考えたって最初は女をファンにつけるしかない。だったらファッション誌なんて絶好のチャンスだろ。ファンが増えれば男女問わず聴いてもらえる機会は増える。」


「・・・・・・」


「今はそうしなきゃいけない時期なんだ、お前らはまだ。だろ?」


「・・・はい。」


「そう思っててもいい。不満があるままでもいい。ただ絶対表には出すな。じゃなきゃ生きてけないぞ、この世界で。お前らはまだまだ若手でしかないんだから。」


「・・・はい。」



わかってるよ。



ちゃんと表に出さずにやってるよ。



でも、じゃあ俺らは誰だ?



タレントなの?



俺らはの夢は何だったの?