「・・・俺らがファッション誌に出る理由は何ですか。」
「はぁ~。お前はまだそんなこと言ってんのか。わかるだろ。」
「わかんないから聞いてんすよ。」
「う~ん、そうだなぁ。じゃあ後で事務所で会った時に教えてやるよ。それまで自分なりに考えとけ。」
そう言って歩いて行ってしまった。
考えてるよ。
とっくに自分で考えてるっつーの。
でもわかんねぇよ。
そりゃ思いつく理由はあるけど、どうもその理由を受け入れられない。
俺らはモデルじゃないよ。
ファッション誌の取材が終わって、全員で事務所に移動した。
今日は事務所で打ち合わせ。
俺らの所属事務所はあの社長の会社で、所属レーベルっていうかレコード会社は、所属事務所が作った会社。
つまりあれだ。
俺達は何をするにもあの社長の下ってことだ。
まぁ、いいんだけど。

