「来てくれたんだね。ビックリしたよ。」
「見たいなぁと思ってさ、可威が歌ってるとこ。久しぶりに。」
京子さんは俺らがまだインディーズにもひっかからない時はたまに見に来てくれてたんだけど。
「どうだった?」
「おっきくなったね、可威。」
「ハハ、何それ。」
「なんかビックリしちゃった。いつもNUTSの歌は聴いてたけど、歌ってるの見たらさ、可威ってもうこんな芸能人になったんだなぁって。」
「そう?」
「うん。遠く感じたけど、嬉しかった。可威が高校生から言ってたことが現実になっててさ。」
「そうかな?」
「うん。すごいよ。感動しちゃった。」
「ありがとう。」
「それが言いたくてさ。」
「うん。こっちこそ、ありがとうね、来てくれて。」
「ううん。じゃあ、またね。」
「うん。じゃあね。」
電話を切った。

