好きすぎた、たぶん。



「買い物やら散歩やら夕飯の支度やら。」


「いえいえ、全然。せっかく来たんですから。」


「ありがと。嫌じゃない?」


「全然!!嬉しいです、可威さんのお手伝いできて。」


「そう?」



詩織ちゃんと他愛もない話をしながら食べる夕飯は、なんだか美味しく感じた。



こないだもそうだったけど、やっぱり家で食べる家庭の料理ってやつだからなのかな。



俺はおふくろの味とかってのもないし、っつーかあってもまず覚えてないし、あんまりガキの頃から家庭料理ってものに恵まれてこなかったからさ。



初めてに近い、味だった。



「ねぇさ、詩織ちゃん。」


「はい。」



またこないだと同じようにさすがに申し話なくて俺が皿洗いして、その隣に詩織ちゃんがただ立ってる状態で話をしていた。