「確かに可威くんが作った曲だけど、別に可威くんの責任って訳じゃないと思う。作ったのは可威くんでも演奏してるのはNUTSなんだから。誰の責任とかって言いたくないし思わないけど、あえて誰の責任って言うなら、可威くんじゃなくてNUTSだよ。ね?」
「そうだな。」
武司がいつものようにボソっと一言そう言った。
「俺らさ、そりゃ6位だったことはショックっつったらショックだけど、別にそれ可威のせいとか思ってねぇしさ、“tears”を選んだのはみんなじゃん。世間には多くは受け入れられなかったかもしんねぇけどさ、俺は好きだよ。“MOON”も“tears”も同じように。まぁ、それに昔に比べれば6位なだけでもすげぇことだと思わねぇとな。」
健吾が煙草に火を点けながら言った。
「みんな、同じだよ。」
潤の一言にみんなが頷いた。
やっぱりウチのメンバーは、いつもこう。
誰を責めるってことをしないし、優しい・・・んだろうな、きっと。

