「へ??」
「ちょっと寝不足?へったくそな嘘だな?」
冷たく言い放つ涼...。
なんでわかるの??
あたし、もう涼に迷惑掛けたくないのに。
「迷惑とでも思ってんのか?」
ほらこうやって何でも見抜く。




「そんな...こと」
頭がふらふらしてうまく言葉が出てこない。
うまくなったはずの嘘がつけない。
「優衣、いい加減怒るぞ」
「怒っていいよ」
怒って、涼...
あたしなんか突き放して。




「あたしなんか。突き放して」
もう迷惑掛けたくない。
春姉にもおばさんにも...涼にも。
さんざんかけてきたから。
「優衣?」
「もうあたし疲れた」
「は?」
「涼に迷惑掛けて...みんなにひがまれて」
「おいっ!」




涼の顔は今までにないほど怒ってて、あたしの目には溢れそうに揺れてる涙。
泣いちゃダメ!
こんなこと言いながらあたしが泣くなんてずるい。
「涼、好きな人にも勘違いされちゃうし」
「なに言って...」
「ずっと片思いなんでしょ?きっとあたしのせいだよ」





涼の好きな人のことずっと考えてた。
何で涼はこんなにかっこいいのに片思いなの?
何で告白しないの?
答えは一つだった。
あたし。



あたしがいつもそばにいるから。
あたしが涼をたよってるから。




「涼、ごめんね」
ほほ笑んだあたしの目から涙がこぼれた。
だめだよ、泣いちゃ。
嘘は最後までつかなきゃ。
「彼女、できたら紹介してね」