幼なじみ



やっと大輝くんから解放されたのは夜の9時。
涼、もう帰ったのかな...
いつ横通ったんだろう?
気づかないぐらいはなしこんでるあたしって...
「おこってるかなぁ...」




一人ぼっちの帰り道。
ずっと考えるのは涼のこと。
あたしは涼が好き...
そんな簡単な気持ちに気付けなかった自分がいや。
もっと早く気づいたら...
あんな目に合わなかったあもしれない。
涼だって、リオと付き合わなくてすんだのに。





最近こんなことを思うようになった。
あまり眠れない日々。
「...っ」
立ちくらみに悩まされていた。
「ただいまぁ」
涼の家に入る。
「お帰りー!もうすぐご飯よー」
嬉しそうに迎えてくれるおばさん。





「涼、帰ってる?」
「1時間前くらいにー」
「ありがと!」
あたしは階段を駆け上がった。
「涼?あたし」
「何?」
やっぱり怒ってる...




そりゃ早く帰って来いって言ったのはあたしなのに、あたしの方が帰りが遅いんだもん。
涼の方が仕事多かったし、実際あたしのほうが早く終わった。
他の男と話してて横を通ったのもわからなかったなんて...
「ごめん、遅くなって」
「何でおくれた?」




大輝君と話してたなんて言ったらもっと怒るよね?
「仕事。ながびいて」
「はぁ...もういいよ」
「涼?」
「どっかいけ」



涼......?