「ユイさんだぁ...」
ん???
ほんとだ。
なんだあいつ!?
男に囲まれてる!!!!!
「あぁ、イケメン特集ですね」
「イケメン??」
「はい!あの人たち、駅でキャッチしてきたひとなんです」
「ふーん...」
つまりは素人...。
ユイの可愛さにメロメロ??
ケー番とか聞かれんのか?
触られてりしないよな?
「じゃぁ、新くんがユイの方に手をまわしてー」
「こうすか?」
新くんだぁ!?
きにいらねぇ!!!!!
「表情がかたいなぁ...自然に自然に!」
はっ、ざまぁみろ!!
って俺何やってんだ...。
「涼さん、大丈夫ですか?」
「うん!」
「涼、目線そらせ!」
これは俺の得意技!
「はぁい」
「いいねぇ」
...!!!!
知らない男がユイのほっぺにチューしてる!!
なんなんだよあの撮影!!
「涼...??」
「あ、すんません!」
あわててカメラに視線を戻す。
対抗心というものが燃えてくる。
「みなちゃん、こっち」
みなちゃんの肩を抱きよせて、顔を近づける。
それはまるでキスする寸前のように。
「おっけー!最後のよかったよ!」
「「はい」」
みなちゃんは顔を赤くしてお時儀をした。
「さっきの涼さん...ドキッとしました。きっと雑誌の評判もいいですね!」
「ありがとう。じゃあまた!」
みなちゃんは素直でかわいい子だった。
「涼、休憩ー」
「はぁい」
ちょうどユイも休憩みたいだ。
ユイの好きなジュースを買って持っていく。
「ユイちゃん、お疲れ」
「涼...くん」
気まずそうな顔をするユイ。
「イケメン特集、だっけ?」
「うん。撮影時間かかちゃって...」
「だよね。素人さんだもん」
ユイ、何か変だな...。
「じゃぁあたし戻る、ジュースありがと!」
ユイはセットに走って行った。
何か変だな...。

