幼なじみ



浴場であったのは...
マリンさん。
涼やらユイちゃんやら騒いでる。
待って...呼び捨て??



涼もマリンって呼んでて...
二人は楽しそうに話してる。
まるであたしがここにいちゃいけないみたいじゃない。
何であたしがこんな思いしなくちゃいけないの??



あたしの涼と話さないでよ。
あたしの好きな人をとらないでよ。
あたしと涼が幼なじみだってわかったらよかったなんって言ってる。
マリンさんは涼が好きなんだ。



こんな可愛いひとにあたしがかなうはずない。
ごめんって謝る涼に余計切なくなる。
頭を洗ってくれてる涼...。
わかってるよ、あたし幼なじみ。




涼が恋人じゃないって全否定したのは間違いじゃないし、仕事の都合ってわかってる。
でも...わかんない。
マリンさんに笑いかける涼が頭から離れない。




「優衣?」
「ん?」
「何で泣いてんの?」
顔が濡れてるし、背を向けてるからわからないはず。
「泣いてないよ」
「優衣、言ってみ?」
そんな優しい声出さないで。




仕事みたいに笑わないで。
特別な存在を作らないで...。
こんな自分が汚く思えて、出てくるのは涙。
残るのはいつも、後悔。



涼、大好きなの。
伝えたいことはこれだけなの。
何で言えない??
涼なら笑ってくれる...。



ふられるのが怖い??
答えはyesだ。
好きな人がいる人に告白なんてフられに行くようなもの。
もしふられて...あたしたちは幼なじみに戻れるの??



今の関係を壊したくない。