「どうだ、涼。7本はやっぱりきついか?」
「しんどいですけど、楽しいんで」
「なるほどな」
酒井さんは俺の仕事に文句を言ったことがない。
あまりとやかく言われない分これでいいのか不安になる。
「酒井さん。次の撮影なんですか?」
「PEACH」
またPEACHかよ...。
まぁ優衣がみいてくれるからいいか。
PEACHの撮影が終わったころには俺はもうくたくた。
でもあと3本ある。
「酒井さん...次は...」
「J/Jかな」
「わかりました」
J/Jか...。
「涼、疲れてきたか??」
「流石に7本はきついっすね」
「仕事制限掛けるか?」
「いえ。俺はまだそんなことできるレベルじゃありませんから」
「涼...」
俺はほんとにそう思っている。
蓮さんはたまに仕事調整をするみたいだが...
俺はそんなことできない。
「涼、無理はするんじゃないぞ」
「わかってますよ!」
俺は笑ってみたけど...実は結構きつかったりする。
優衣の癒しがほしい...
ブーブーブー...
メール??優衣??
[涼、大丈夫?無理はしないでね。ファイトっ!]
「優衣...」
「彼女からメールか??」
「まさか!彼女いません」
片思いだし...
「は?ユイは?」
「優衣は幼なじみで...俺の片思いです」
自分で言っといて寂しくなってくる。
「まさかだな。まぁがんばれよ!とられないよ-に」

