「涼がそのうち抜きますけど」
ユイってこんなタイプだったっけ?
まぁ頼もしいけど。
「涼ー始めるぞー」
「はーい。お願いしまーす」
運悪く1本目はケンタさんと。
「お前の実力見せてもらうぜ」
楽しそうなケンタさん。
「どーぞ」
俺はどっちかというと無関心みたいだ。
「ケンタ、もっと出てくれ!」
「はい...」
「涼。目線そらして」
「こうすか?」
「そうそうそう!1最高だな!」
撮影が終わる頃にはケンタさんのテンションは死んでいた。
「涼わるかった。でも、お前が俺を抜くまでは先輩ズラさせろ」
「お好きにどーぞ」
これは俺なりの優しさ。
今はなにも言われたくないだろう。
「涼、きがえてこい!今日は夜までかかるぞ」
「了解っす」
俺は更衣室に入って着替えを始める。
ユイはまだとってるみたいだ。

