「はい、おっけー!」
撮影はなんだかあっと言うまだった。
「二人とも経験者?」
「まさか!ど素人です!」
「だったら...お前たちは天才だ」
そんな大げさな...
ただめちゃくちゃ楽しくて、もっといろんな自分を見てほしかった。
「こんな感動蓮以来だよ!酒井さん、すごいのみつけたな!」
「だろ?これから頼むぜ!」
俺らそんなにすごかったんだろうか?
なんか一瞬だったけど...。
「ユイ、涼。どうだった?」
「なんか一瞬だった。」
「二人とも素人とは思えない。大したもんだ!」
「なんか、もっといろんな自分を見てほしいって思ったら体が勝手に...」
「それがプロのモデルだよ。二人はすぐに上がってくるな!」
それがプロ...。
「その気持ちをわすれたらモデルは終わりだ。その気持ちを絶対に忘れるな」
「「はい!」」
こうして俺らの初仕事は無事に終わったのだった。
雑誌が発売されるまで一週間。
それまで仕事はない。
酒井さんは間違いなく売れるから、宿題をすませておけと言っていた。
俺たちはほんとに売れるのか?
あんな顔でよかったんだろうか?
あの写真で読者は満足するのだろうか?
不安と心配しか浮かばない。
気持ちを紛らわせるように、俺はひたすら宿題と部活に励んだ。
もし俺が売れたら部活はやめなくてはならない。
まぁあれだけすげぇ仕事のためならあきらめられる。

