俺も優衣に付き合ってもらい、Tシャツとズボンを買った。
しかし今日はひとが多いな...。




「ね、そこの美男美女!」
誰のことだよ...?
「ねぇ!」
肩をたたかれる。
「俺?」
「君ととなりの彼女」




「誰すっか?」
「あ、僕は芸能プロデューサーの酒井」
芸能?そんな人が何してんだ?
「プロデューサー?」
優衣が不思議そうに聞く。
「きみたち。ちょっと話できる?」




俺たちは半ば強引に喫茶店に連れてこられた。
「君たちにはセンスがある。少し買い物の様子を見させてもらった」
「はぁ...」
優衣は何が何だかわからない感じだ。
「見た目もずば抜けて美しい」
「そんな...」
優衣は少し焦っている。





いやいや、優衣はずばぬけて美しいし。
「君たち、モデルにならないかい?」
「「は!?」」
俺と優衣の声が重なった。
「あたらしいモデルをスカウトしにここへ来た。何と美男美女が買い物をしている。声かけるタイミング見計らってたら買い物を始めた。二人ともかなりセンスがいい。」




「見ためも素晴らしい!しかも細い!君たちにはモデルの気質がある。おれの目に狂いはないと断言しよう」
なんでそんな自信ありげなんだ?
てか何でおれ?
優衣なら普通に納得だけど...。