俺達は新しいスタートをきった。
優衣とも元に戻ることができた。
でも、ひとつ気になることがある...。
最近の優衣の笑顔はなにかおかしい。
「涼ー夏休み温泉行くよね?」
「あ、もうそんな時期か。いくよ」
「今年は和歌山に行くんだってー」
優衣は毎年この季節になると楽しそうだ。
和歌山...かぁ。
去年はどこだったっけな?
「優衣、それよりもうすぐ期末だぞ」
「だね。涼は大丈夫なの?」
「数学はな...。」
「英語は今回も70点台?」
優衣はやさしく微笑んだ。
「どうなんだろ。今回いいと思う」
「いいなー。あたしは理科が今回やばい」
そういえば優衣のきらいな解剖とかばっかだったっけ?
「もうすぐ期末だー。しっかり勉強しろよー」
先生は一言言い残し教室をでた。
「優衣、涼。勉強してる?」
「当たり前ー」
「涼はいつもムカつくなぁ!優衣は?」
「.........」
千夏の問いかけに答えない優衣。
「優衣?」
下から顔を覗き込む。
「優衣!?」
顔がまっさおだ...
そのまま俺に倒れ掛かって来た優衣を保健室まで運んだ。

