優衣は可愛いだけでなく、勉強も運動もできた。
その上性格もよくモテモテだった。
みんな...可愛いからとかじゃなく...
モテるなんか関係なく...
優衣が大好きだった。





告白だって毎日されてたし、仲良いくせに。
優衣は絶対誰とも付き合わなかった。





「さっき優衣がねー...」
「優衣まじ可愛い!」
優衣の噂は毎日いやになるほど耳に入ってきて...
あたしはそのたび惨めになった。





小6に進級したあたしたち。
6-1、あたしと優衣と涼は同じクラスになった。
何で?って一瞬思ったけど、涼と同じクラスになれたのは嬉しかった。
「リオちゃん。同じクラスだね」
「優衣ちゃん...よろしくね」
「あ、優衣。お前これ出したのか?」
先生に提出するプリントを優衣ちゃんの目の前でひらひらさせる涼くん。





「あ、忘れてた!涼さんきゅー♪」
急いで机に向かった優衣ちゃん。
やばい、涼くんと二人きり!!
ドキドキ言い出すあたしの心臓。





「優衣って天然だろー」
笑いながら話しかけてくれた涼くん。
「そうなの?まだわからないや」
「超天然!自分が可愛いことにも、俺の気持ちにも気付かないんだぜ」





やっぱり...涼君は優衣ちゃんが好きなんだ。
はじめての失恋だった。
でも、あきらめたくなかった。




諦められなかった。