幼なじみ



「伊田リオです、よろしくおねがいします」
小5の9月。あたしは転校した。
優衣と涼がいた、為替小学校に。
「リオちゃんってすごく可愛いね!」
「あし細ーい。モデルさんみたい」
「マジ可愛いな!つきあってよ」





そんなことを言われまくっていた。
この学校でも、一番になれた。
あたし一番可愛い。





子供ながらにうれしかった。
でも、あたしは一番じゃなかったんだ。
「リオも可愛いけど、やっぱ一番は優衣ちゃんだよな」
「わかる。優衣の可愛さは半端ねー」





優衣......?
誰それ?あたしよりかわいい?
一番?あたしは一番じゃない。
その日から、優衣を抜くことしか考えなくなった。





「ねぇ。優衣ちゃんって何組?」
「香川優衣のこと?知らない人なんていたんだ。3組だよ」
「あ、ありがと」
知らないひと、いないの?





あたしはゆっくり3組を覗いた。
教室の真ん中には人だかりができている。
そこに優衣がいる。
すぐにわかった。
「あ、リオちゃんだ」
2番とはいえ、かわいいと有名だったあたしに気づいた男子が声を上げた。





ドクン......
すぐにわかった。
この子が、優衣...